マヨン山(マヨンさん、英: Mayon Volcano)はフィリピン共和国のルソン島南部、ビコル地方アルバイ州にあり、レガスピ市の北西15kmの平野部に突如としてそびえる成層火山。高さは2,462m。一帯はマヨン山国立公園に指定されている。
「マヨン」とは、ビコル地方の言葉で「美しい」という意味を持つ「マガヨン」に由来すると言われており、ほとんど完璧な美しい円錐の形を成している。富士山よりも斜面が険しく頂上が鋭いのでより印象が強く、地元では富士山よりも美しいといわれており、かつて日系人移民からは「ルソン富士」と呼ばれていた。
マヨン火山のシンメトリカルな円錐型は火砕流と溶岩流の繰り返しによって作り出された。マヨン火山はフィリピンで最も活動的な火山であるが、これはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置しマグマの形成が盛んな場所にあるためである。
マヨン山はこの400年に50回も噴火している。記録に残る最も破壊的な噴火は1814年2月1日に起こった。溶岩流が山から10kmのカグサワという街を埋めて1,200人の死者を出した。現在、当時の街があった場所には教会の鐘楼しか残っていない。
最近では1993年の突然の大噴火による火砕流で大勢の犠牲者を出し、2000年、および2006年8月にも噴火を起こした。現在ハザードマップが作成され、その危険情報を元に火砕流などの恐れのある場所は土地の利用規制が行われているが、現地は貧しく、危険地帯として指定された場所で耕作せざるを得ない状況がある。2009年にも噴火し、12月14日には住民への避難勧告がなされている[1]。
レガスピ市と千葉県銚子市は姉妹都市であり、銚子市の犬吠埼近くに立つ「日比友愛の碑」はマヨン山の方向を向いて建っている。