モゥーン・トワ・ピトン国立公園は、カリブ海・小アンティル諸島に浮かぶ、ドミニカ島にある国立公園である。「モーン・トロワ・ピトン(ズ)国立公園」などとも表記される("Morne Trois Pitons" は本来のフランス語読みでは「モルヌ・トロワ・ピトン」)。1997年に世界遺産に登録された。
イギリス領だったドミニカ島は1978年にドミニカ国として独立したが、この国立公園はドミニカ国の独立よりも早い1975年に国立公園に指定されている。
モゥーン・トワ・ピトン国立公園はドミニカ島の南部にあるトワ・ピトン山("Morne"は中南米の山を表すフランス語。"Trois Pitons" は「3つの尖端」)を中心とした熱帯雨林の火山地帯からなり、総面積は約70km²にも及ぶ。この国立公園内には、標高1342mのトワ・ピトン山を含めた5つの火山がある。火山特有の荒涼地の中に、約50近くの噴気孔と温泉湖があり、熱帯雨林や透明度が高く神秘的な湖など、豊かな自然が残っている。ハチドリやアマツバメ、ハト、オウム目(アマゾニア・インペリスとレッド・ネックトの2種類のオウムは保護条令があるにもかかわらず絶滅の危機がある。)など175種の鳥類、そして世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトムシや、ナナフシなどの昆虫も数多く生息している。
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。