カトマンズの渓谷(カトマンズのけいこく、Kathmandu Valley)は、ネパールの首都カトマンズのある盆地一帯のこと。日本のユネスコ協会では、カトマンズの谷として世界遺産を紹介しているが、実際は周囲を山々に囲まれた明らかな盆地である。実情を知らない翻訳者が英語のvalleyを谷あるいは渓谷としてしまった誤訳である。通常はカトマンズ盆地(ネパール語:काठमाडौं उपत्यका)と呼ばれる。
標高は、約1,300m。緯度は沖縄と同程度である。典型的なモンスーン気候。盆地内には、ガンジス川の支流であるバグマティ川などの川が流れ、耕作に適した大地が広がっている。チベットとインドを結ぶ交易の中継点でもある。 カトマンズ盆地は、数千年前までは湖だったと考えられている。湖だったことは、この地の神話にも登場する。また、地層から淡水魚の化石が発掘されている。
首都のカトマンズ市、ラリトプル市(パタン)、バクタプル市が行政区として存在している。 1979年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録。ただし、ネパール政府は、カトマンズ周囲の景観とともに複合遺産として申請していた。また、急激な都市化により危機遺産の指定も受けている。
詳しくはネパールの歴史を参照
マッラ王朝の統治時代の15世紀、カトマンズ、パタン、バクタブルにそれぞれ王子を配置。各都市は競って宮殿や寺院を建立。このころネワール様式の建築が花開いたといわれている。
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
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