スピシュスキー城 (スロバキア語:Spišský hrad)は、スロバキア東部コシツェ州にある城。現在は廃墟であるが、中欧でも大きな城の一つ。
スピシュスキー城は、スラヴ人の城があった場所に12世紀に建てられた。スピシュ地方の経済・行政・政治・文化の中心地であった。1464年より前、城はハンガリー王国の所有であり、のち1528年までサポヤイ家(ザーポリスキー家)、ツルツォ家(1531年-1635年)、ツサースキー家(1638年-1945年)、1945年からは国家の所有である。
始めはロマネスク建築の要塞化された石城で、2階建てのロマネスク様式宮殿と3つの本堂のあるロマネスク=ゴシック建築の聖堂が13世紀半ばに一帯に建てられた。2番目の城壁外居住地は14世紀に建てられ、城一帯は二重となった。15世紀に城は完全に再建されている。城壁は高くされ3番目の城外居住地が建設された。後期ゴシック様式礼拝堂は1470年頃付け足された。サポヤイ家は後期ゴシック様式に変え、上階を過ごしやすい家族の住居とし、16世紀と17世紀の典型的な後期ルネサンス様式の住居にした。
最期のスピシュスキー城の所有者ツサースキー家は、暮らしにくいと考えて城を18世紀初頭に見放した。彼らは近隣の村ジェフラやスピシュスキー・フルホフに新たな邸宅を建てそこへ移り住んだ。1780年、城は火災に遭い、それ以来廃墟と化した。20世紀初頭に城の一部が再建され、広範囲に渡る考古学調査が実施された。再建された部分は現在スピシュスキー博物館となっている。
2006年、約17万人の観光客が城を訪れた。城はしばしば映画ロケ地となっており、ドラゴンハート、冬のライオン(2003年テレビ映画)、The Last Legionがスピシュスキー城で撮影された。