'シュコツィアン洞窟(スロベニア語 Škocjanske jame ; イタリア語: Grotte di San Canziano)は、スロベニア南部のクラス地方(Kras, カルスト地方)にある洞窟である。ここには、巨大な陥没ドリーネ(doline)や、深さ200m以上、長さ約6kmの地下川洞窟、滝などがある。この地方は「カルスト地形」研究史上、世界的に最も知られた場所で、カルストの語源にもなっている。
1986年に、ユネスコの世界遺産に登録された。2007年の第31回世界遺産委員会終了時点では、スロベニア唯一の世界遺産である。
この大河はヴェリカ ドリーネ(Velika dolina)で地下に潜入し、この洞窟から西北西に34kmにわたって地下を流れ、Monfalconeの近くで地表に現れ、ティマヴ河(Timavo River)の源流となり、2km流れてアドリア海に注いでいる。雨期、地表から160mの深さにあるヴェリカ ドリーネの底から、レカ河が地下に流れ込んでいく様子は実に壮観である。
シュコツィアン洞窟群のある一帯は、考古学的な出土品も豊富で、一万年以上前からこの地に人が住んでいたことを物語っている。'Mušja Jama'で見つかった遺跡は、青銅器時代末期から鉄器時代にかけて、ギリシャの影響を受ける形で、洞窟に寺院が作られていたことを示している。
この地方は、3000年ほど前にはヨーロッパ、特に地中海世界の重要な巡礼地のひとつであったと考えられている。その地底奥深くへとぽっかり口をあけた景観は、死後の世界や先祖の霊魂との交流に結びつくものと考えられた。
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。