ソルテア(Saltaire)は、イングランドのウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードにあるヴィクトリア時代のモデル・ヴィレッジ(model village)である。エア川とリーズ・リヴァプール運河(Leeds and Liverpool Canal)の流域にある。この町はユネスコの世界遺産登録物件であると同時にヨーロッパ産業遺産の道のアンカーポイントの一つでもある。
座標: 北緯53度50分14秒 西経1度47分25秒 / 北緯53.83717度 西経1.79026度
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リーズ・リヴァプール運河から見たソルテア
リーズ・リヴァプール運河から見たソルテア
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英名 | Saltaire | ||
仏名 | Saltaire | ||
面積 | 20 ha (緩衝地域 1078 ha) |
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登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | 文化遺産(2), (4) | ||
登録年 | 2001年 | ||
拡張年 | |||
備考 | |||
公式サイト | ユネスコ本部(英語) | ||
世界遺産テンプレートを使用しています | |||
ソルテア(Saltaire)は、イングランドのウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードにあるヴィクトリア時代のモデル・ヴィレッジ(model village)である。エア川とリーズ・リヴァプール運河(Leeds and Liverpool Canal)の流域にある。この町はユネスコの世界遺産登録物件であると同時にヨーロッパ産業遺産の道のアンカーポイントの一つでもある。
ソルテアは開明的な産業家サー・タイタス・ソルト(Titus Salt)によって1853年に建設された。ソルテア(Saltaire)という町の名前はソルト(Salt)とエア川(Aire)を組み合わせたものである。彼はブラッドフォードで5つの工場を経営していたが、それらを全てこの地に移転・集約した。その目的には労働者たちの処遇をブラッドフォードでのものよりも向上させる事や、運河や鉄道による地の利を活かして巨大な繊維工場を作る事が含まれていた。彼は建築業者として、ブラッドフォードのロックウッド・モーソン社(Lockwood and Mawson)を雇った。
類似の計画は、同じウェストヨークシャー州内のコプリー(Copley)ではエドワード・アクロイド(Edward Akroyd)によって数年早く開始されていた。また、ソルテア同様世界遺産になっている綿製糸工場の村ニュー・ラナークは、もっと早く1786年にデヴィッド・デイルによって建設されていた。
ソルトはブラッドフォードのスラムよりもずっと上質な小綺麗な石造家屋を労働者たちのために建ててやり、水道のある洗濯所、浴場、病院なども建てた。さらに、図書館や読書室、コンサートホール、ビリヤード場、科学的な研究室、スポーツジムなどを備えた娯楽・教育施設も建て、施設救貧院、村民向けの菜園、公園、ボートハウスなども整備した。
会衆派教会 (1856-59). タイタス・ソルトは1876年に歿し、会衆派教会に敷設された霊廟に葬られた。さらにソルトの息子も亡くなると、村はパートナーシップに引き継がれた。そのパートナーシップには、ホワース(Haworth)出身で12歳から村の工場で働いていたジェイムズ・ロバーツ(James Roberts)も含まれていた。彼は毎年ロシアに行き、ロシア語に堪能だった。彼はソルテアを保有することになったが、ロシアに過剰に投資していたため、ロシア革命でいくらかの損害を蒙った。また、彼はリーズ大学にロシア講座を寄贈した。彼はT・S・エリオットの詩『荒地』(The Waste Land)でも言及されており、没後イーストサセックス州のフェアライト(Fairlight)に埋葬された。
2001年12月にソルテアはユネスコの世界遺産に登録された。これはつまり政府がソルテアの保全の義務を負ったということである。村は確かにかつての姿を十全に保ってはいるが、エア川の渓谷は東西交通の要路であることから、交通量の多さによって所々傷んでいる部分もある。また、蛮行によって荒らされた公園の修復も要請されている。
村の建造物群は個別に重要文化財建築(listed buildings)に登録されており特に会衆派教会の教会堂は保護レベルが最高(グレード1)になっている。ソルテア自体も当然、保全地域(Conservation Area)である。
かつて娯楽・教育施設だった建物はヴィクトリア・ホールと改称され、ヴィクトリア朝リード・オルガン博物館(Victorian Reed Organ Museum)がホール内に開設されているほか、集会、コンサートなどに使われている。
ソルテア・フェスティヴァル(:en:Saltaire Festival)も開催されている。これはもともとソルテア開村150周年を記念して2003年に開かれたものだが、以降毎年9月に11日にわたって行われている。
ソルテアは他の世界遺産物件などと同じく、世界遺産としての空間的コンテクストを守るために、周辺に緩衝地域(バッファー・ゾーン)が設定されている。しかし、この緩衝地域を通るバイパスの計画がブラッドフォード議会とアクション・エアデイル(Action Airedale)から発表された。あわせてソルテアの村自身に似つかわしくないトンネルを掘ることも発表された<ref>http://www.saltairevillagesociety.com/bypass/index.html</ref>。 ミルからの見晴らしの範囲内で、トンネルに敷設された鉄道が走り、会衆派教会の裏手から出てくることになるのである<ref> [1]</ref>。そして鉄道はリーズ・リヴァプール運河を並走し、保全地域に大きなインパクトを与える可能性が高い。計画されているルートは、古い半自然の森林庭園やナブ・ウッド墓地の森林庭園にも影響を及ぼすことになる<ref>http://www.sweeble.com/story/view/1530</ref>。
ソルツ・ミル(Salts Mill)は1986年に操業を停止し、翌年に複合施設として生まれ変わった。現在は商業、レジャー、居住用などが組み合わさっている。メインの建物に入っているのは以下のものである。
運河をはさんだ向かい側には地元の国民健康サービス(National Health Service Trusts)の事務所と居住区画に分かれている「新工場」(The "New Mill")がある。
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
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