ポール・リカール・サーキット (Circuit Paul Ricard, シルキュイ・ポール・リカール) はフランス南部・マルセイユ近郊のル・キャステレ村にあるテスト専用のサーキット。リキュールで名高いペルノ・リカール社を創立したポール・リカールの名前が冠されている。
サーキットとして1970年に完成し、一周は5.81kmの長さであった。その全体の4割近くを占めていた長い「ミストラル・ストレート」とその直後のほぼ全開で曲がるコーナーの「シーニュ」が特徴的だったが、1986年のテスト中にエリオ・デ・アンジェリスが死亡する事故が起こって以降、第1コーナーから直接バックストレートの途中へ繋がるように短縮されて3.813kmのコースとして利用された。
ここでは1971年から1990年までF1のフランスグランプリが行われ、1999年まではロードレース世界選手権(現在のMotoGP)も行われていた。様々なレースが他のサーキットで行われるようになってのち、2002年に観客席を取り除き、様々なコースレイアウトに変更できるよう大幅な改修が行われ、ハイテク・テスト・トラック(High Tech Test Track)と呼ばれるテスト専用サーキットへと生まれ変わった。完成当初からあった5.81kmのコースを主体にしたハイスピードコースから、826mの超ショートコースまで91通りのレイアウトを利用することが出来る。F1から市販車、レーシングカートまで、様々な車の走行テストが可能である。