フロム線( - せん、ノルウェー語:Flåmsbana)は、ノルウェーのソグン・オ・フィヨーラネ県アウルラン()にある鉄道路線である。フロム鉄道とも呼ばれる。
ミュルダル駅()でベルゲン線から分岐し、ソグネ・フィヨルド沿岸のフロム駅()に至る。急勾配の山間部を走り、風光明媚な景観を楽しむことのできる、ノルウェーの主要な観光名所となっている。
フロム線はベルゲン線とソグネ・フィヨルド沿岸地域を結ぶために建設された。
1908年にフロム線建設がノルウェー議会で可決された。1916年にルートが決定され、1923年に着工した。路線が通る20のトンネルのうち、18は手作業で掘られた。1940年に列車の運行が開始され、翌1941年から旅客列車が運行されるようになった。1944年に電化された。
1998年に民営化され、列車運行業務はノルウェー鉄道株式会社に承継された。路線そのものは国家機関のノルウェー鉄道庁()が保有している。
列車運行業務はノルウェー鉄道株式会社が行うが、路線運営、チケット販売、危機管理、マーケティングは、地元の観光業者と自治体によって運営されている、フロム開発社が行う。列車は動力集中方式で運行され、1960年から運行されているNSB B3型客車(右列に画像あり)をNSB El17型機関車(右列に画像あり)が牽引する。それぞれの車両は濃緑色に塗装されている。年間を通して運行され、夏期は特に頻繁に運行される。貨物輸送はほとんど無いが、年間乗客数は500,000人を超え、2007年には最高記録の580,000人に達した。2008年現在、フロム線はノルウェーで3番目に多くの観光客の訪れる場所となっている。
路線の長さは約20.2kmである。標高約865mに位置するミュルダル駅()からフィヨルド沿岸にあるフロム駅()を結ぶ。急勾配の山間部を走るために路線は曲がりくねっており、途中で20のトンネルを通過する。最大勾配はおよそ1:18 (55‰) である。途中のヴァトナハルセントンネルでは、高度を稼ぐために馬蹄型カーブ(180度旋回するカーブ)が存在する。ノルウェーにある他の大部分の営業路線と同様に標準軌の路線である。 全線の所要時間は約60分。最高40km/h。