プレアヴィヒア寺院(Preah Vihear Temple)は、カンボジアとタイ国境にあるダンレク山地内のカンボジア王国領内(プレアビフア州)に位置するヒンドゥー寺院。9世紀末にクメール人によって建設され、11世紀に増築されたとされる。タイ側の呼称はプラーサート・プラウィハーン(ปราสาทพระวิหาร)。2008年7月に世界遺産登録。
プレアヴィヒア寺院の帰属はカンボジア・タイ両国の長年の懸案であったが、1962年にハーグの国際司法裁判所によりカンボジア領であると認められた。しかし寺院周辺の4.6kmの土地の帰属は未だに確定しておらず両国の懸案となっている。2008年の世界遺産登録に関しては当初タイ側の支持もあったが(タイ王国外務大臣のカンボジアのプレアヴィヘア寺院の世界遺産登録を支持)、その後支持したことがタイ王国の国内法違反とされ当外務大臣は7月中に辞任した。2008年7月中旬、タイ人3名がプレハヴィヘア寺院に不法侵入したとしカンボジア側に拘束された。(その後解放)この拘束に合わせタイ側が軍隊を派遣。それに対抗するようにカンボジア側も軍隊を派遣しにらみ合いが続いている。カンボジア側は国連安全保障理事会に一時訴えたがその後取り下げている。2008年7月28日、状況を打開すべくカンボジア領内のシエムレアプにて両国外務大臣が会談を行い、両国が軍を撤退させることで同意したが2008年8月3日現在では実現していない。2008年10月13日、カンボジアのフン・セン首相は、タイのソムポン外相との会談で、領内に侵入したタイ軍の14日までの撤退を求め、応じない場合は「戦争が起きる」と警告した。2009年2月10日、タイはプレアヴィヒア寺院のタイ側の入り口であるカオプラウィハーン国立公園を非公式に再開した。プレハヴィヒア寺院への立ち入りは不可能であるがタイ側からその姿を見ることは可能である。