オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園(スペイン語: Parque Nacional de Ordesa y Monte Perdido)は、スペインの国立公園。アラゴン州ウエスカ県に位置し、特にピレネー山脈が含まれている。IUCNカテゴリーはII。
ルシアーノ・ブリエト、スレール・イ・サンタロー、ルーカス・マリャーダなどがこの地域の名声の促進と保護地域の指定に貢献した。1918年8月16日、スペイン政府によってオルデサ渓谷国立公園として国立公園が設置された。アストゥリアス地方のピコス・デ・エウロパを中心とするピコス・デ・エウロパ国立公園とともに、本公園はスペインで最初に設置された2か所の国立公園の片方である。
1982年7月13日には対象地域が156.08km2に拡大され、オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園に改称された。1997年にはユネスコによってオルデサ=ヴィニャマール生物圏保護区に指定され、同年にはスペインとフランスにまたがる「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」が世界遺産に登録された。公園の領域にはトルラ=オルデサ、ブロート、ファンロ、テリャ=シン、プエルトラス、ビエルサの各自治体が含まれている。
標高1,500-1,700mには大規模なブナ類(ヨーロッパブナ)、ヨーロッパギンモミ、マツ(ヨーロッパアカマツ)、オーク(Quercus subpyrenaica)の森林が存在し、やや少ないがカバ(シラカンバ)、トネリコ(セイヨウトネリコ)、ヤナギ(Salix angustifolia)の森林が存在する。標高2,000mを超える場所はモンタナマツが卓越している。1,800mまでの場所にはセイヨウツゲが見られる。1,700m-3,000mの高地にある高原には、Borderea pyrenaica、Campanula cochleariifolia、Ramonda myconi、Silene borderei、Androsace cylindrica、Pinguicula longifolia、Petrocoptis crassifoliaなど、多数の固有種が生育している。エーデルワイスはこの国立公園の象徴的存在である。
この国立公園でもっとも重要な種はピレネーアイベックスだったが、懸命な保護活動もむなしく2000年1月に最後の個体が死亡した(絶滅)。ピレネーシャモアはヤギのピレネー固有種である。マーモット、イノシシ、ピレネーデスマン、イヌワシ、ヒゲワシ、シロエリハゲタカ、タカ類、ロイヤルフクロウなどの鳥類が生息している。