コム・オンボ神殿の2つの入口 コム・オンボ神殿(英語: Temple of Kom Ombo)は、プトレマイオス朝の時代(紀元前332-32年)にエジプトのコム・オンボの町に建設された、珍しい二重神殿である。神殿はのちのローマ(支配)時代(紀元前30-紀元後395年)にいくらか増築されている。
コム・オンボ神殿のレリーフ 建物の「二重」構造は、2神のために重複した中庭、広間、祭壇や部屋があったことを意味する類のないものである。神殿の正面より向かって右側半分は、ハトホルやコンスとともに豊穣と世界の創造の神であるワニの神セベクに捧げられた。一方、神殿の左側の部分は、大ホルス (Horus the Elder) の別名で知られるハヤブサの神ハロエリスに捧げられている。神殿は変則的で、すべてが主軸を中心に完全な左右対称である。
1. セベクの聖所 (The Sanctuary of Sobek) 2. 周壁 (The Wall surrounding) 3. ハロエリスの聖所 (The Sanctuary of Haroeris) 4. 階段 (The Staircase) 5. 列柱室 (The Hypostyle hall) - 第2列柱室 6. 入口の間 (プロナオス、Pronaos) - 第1列柱室 7. ハトホルの礼拝所 (The Chapel of Hathor) 8. プトレマイオス12世アウレテスの門 (The Gate of Ptolemy XII Auletes) 9. 井戸 (The Well) 10. 塔門 (パイロン、') 11. 祭壇を備えた前庭 (The Great Court with the Altar) 12. 誕生殿 (マンミシ、Mammisi) - Birth House 13. 前室 (Hall of the Temple's Fundation) 14. 生贄室 (Hall of victims) 15. 彫像室 (Hall of statues) 16. セベクの礼拝所 (The Chapel of Sobek)神殿の後壁の内側表面にある場面は、特に興味深く、「おそらく1組の外科的器具を表す」。
付近で発見された300体のワニのミイラのいくつかが神殿内で示されている。
第18王朝(紀元前1550-1295年頃)のトトメス3世(紀元前1479-1425年頃)の遺物も発見されているが、現存の神殿は、プトレマイオス6世フィロメトル(紀元前180-145年)の治世の初めに開始され、他のプトレマイオス朝の王、特にプトレマイオス13世(紀元前51-47年)によって増築されて、内側と外側の多柱式の広間を建設した。最も外側となる部分は、前庭とともにローマ時代に築かれた。
神殿の大部分は、ナイル川や地震で、そして後に他の事業にその石を使用した建築業者によって破壊された。内側のレリーフの一部は、かつて教会として神殿を使用したコプト教徒により損傷した。台地の南側にあるすべての神殿の建物は、残骸が片づけられ、1893年にジャック・ド・モルガン () によって修復された。