アメリカ自然史博物館(アメリカしぜんしはくぶつかん The American Museum of Natural History)は、ニューヨーク市マンハッタン区内アッパー・ウエストサイド (Upper West Side) にある科学博物館。動植物、鉱物など自然科学・博物学に関わる多数の標本・資料を所蔵・公開している。「アメリカ自然誌博物館」とも表記される。1869年に設立され、現在、1,200名を超えるスタッフを擁し、毎年100を超える特別野外探査を主催している。
1869年の設立当初はセントラルパーク内のアーセナル・ビルディング (Arsenal building) に置かれていた。
1874年には、マンハッタン・スクエアの大部分を占めている現在の施設が起工された。
この場所におけるランドマーク建築になっており、その敷地は南北方向では西77番ストリート(West 77th Street)と西81番ストリート (West 81st Street) とに区切れ、東西方向ではコロンバス・アベニュー (Columbus Avenue) とセントラルパーク・ウェスト () とに区切られる。
セントラルパーク・ウェストとは、セントラルパーク の西端とアッパー・ウエストサイド東端とに挟まれた通りの名称のことで、北はフレデリック・ダグラス・ブールバード Frederick Douglass Boulevard に延びて行き、南は8番アベニュー 8th Avenue に延びて行くので、それぞれの名で呼ばれることがある。正門は、巨大なローマ風バシリカに通じているが、そこにあるアロサウルス(Allosaurus) から我が子を守ろうとして後ろ足で立つバロサウルス (Barosaurus) の骨格標本は展示全体の中で際だっている。本博物館は、アフリカ・アジア・北アメリカにおける哺乳類のジオラマや、海洋ホール (2003年再開) に吊るされたシロナガスクジラの実物大模型や、原住民であるハイダ () が作成した64フィート長の彩色彫刻戦闘用カヌー (北アメリカ北西部由来) や、世界最大のブルーサファイアである「スター・オブ・インディア」 ('Star of India') で著名である。あるフロアでは、全体の周辺部分が、世界的に有名な恐竜群を含む脊椎動物の進化に当てられている。
本博物館は、人類学上の収集でも傑出しており、以下のものがある
アジアの人々のホール、太平洋の人々のホール、アフリカにおけるヒトのホール、アメリカ原住民由来の収集物、そしてメキシコ及び中央アメリカからの収集物。アメリカ自然史博物館に縁が深い著名人としては、長年に渡り理事長であった古生物学者兼地質学者のヘンリー・フェアフィールド・オズボーン () や、ゴビ砂漠の「恐竜ハンター」ロイ・チャップマン・アンドリュース () --彼は、インディ・ジョーンズのモデルの一人である-- や、文化人類学の先駆者フランツ・ボアズ 及びマーガレット・ミード がいる。本博物館への著名な後援者の中には、J.P.モルガン () のような人もいる。
本博物館に連結しているヘイデン・プラネタリウム () は、現在では、ジェームズ・スチュワート・ポルシェク () の設計になる地球宇宙ローズセンター (Rose Center for Earth and Space) の一部として、球形のスペースシアターを包んだガラス製の立方体の中に収容されている。このセンターは2000年2月19日に開業した。
本博物館は、一般個人会員に対する55ドルから後援者に対する750ドルまでの会費による広い範囲の会員種別を設けている。
様々なオンラインサービスが可能である。
特別研究プロジェクトが存在する分野: