クーマエ(ラテン語: Cumae)は、現在のイタリア・ナポリ北西に築かれた古代ギリシャの植民市。イタリア半島に初めて建設された古代ギリシャ植民市である。
クマエ、クマエー、クーマイ等とも表記される。ウェルギリウスの『アエネーイス』に登場する「クマエのシビュラ(巫女)」でも有名。また、この都市で使われたギリシャ文字の一種(クマエ文字)からは、ラテン文字が派生した。
古代ギリシャ語では Κύμη / Kumē、Κύμαι / Kumai、Κύμα / Kuma と記された。クマエ、クマエー、クーマイ等ともカナ転記される。
現在のイタリアにおいて当地はクーマ(イタリア語: Cuma)と呼ばれる。
行政上は、カンパニア州ナポリ県北西部に位置し、バーコリとポッツオーリの自治体(コムーネ)にまたがる。
ティレニア海に面したこの都市は、エウボイア島のギリシャ人によって建設された。
エウボイアの人々は、標準的なギリシャ文字(東方ギリシャ文字)とは異なる字形を持つ文字(西方ギリシア文字)を使っており、クマエでもこれが用いられた。この系統のギリシャ文字からは、エトルリア文字をはじめとする古イタリア文字やラテン文字が派生したことが特筆され、特に「エウボイア文字」(Euboean alphabet)、「クマエ文字」(Cumaean alphabet)とも呼ばれる。