ビクトリア・ハーバー(英語表記:Victoria Harbour、中国語繁体字表記:維多利亞港、簡体字表記:维多利亚港)は、香港にある湾である。
ビクトリア・ハーバー(英語表記:Victoria Harbour、中国語繁体字表記:維多利亞港、簡体字表記:维多利亚港)は、香港にある湾である。
南シナ海の珠江デルタに浮かぶ香港島と中国大陸九龍半島の間、香港の市街地の中心地に位置する面積41.88 km²の湾である。世界でもっとも船舶の交通量が多い湾として知られ、年間平均で約220,000の船舶が通航する。
香港の中心地にあり、ヴィクトリア・ピークから見下ろす湾の周囲の高層ビルの夜景が「100万ドルの夜景」の異名を持ち世界中から観光客を呼び寄せるなど、香港の海運にとって重要な位置を占めるだけでなく、香港の観光や経済にとって大きな存在感を占める。
香港島側では、20世紀に入ると沿岸部の埋め立てが続き、海岸線が北側に大きく後退した。1997年にイギリスから中華人民共和国に返還、移譲されて以降は、さらなる埋め立てが急激に行われたために、船舶の運航に支障を示す例も見られるようになった。この為2004年に港湾当局は無尽蔵な埋め立てを規制すると発表した。
香港島サイドの高層ビルの上部や側面を中心に、「キャノン」や「オリンパス」、「パナソニック」や「三洋電機」などの日本企業や、「フィリップス」や「LG電子」、「ING」や「サンミゲル」などの世界各国の大企業のネオン看板が掲出されており、「100万ドルの夜景」を彩る大きな要素となっている。クリスマスや旧正月シーズンになると、ネオン看板の下にあるビルにも煌びやかな装飾が施され、さらに彩りを添える。
また1990年代初頭までは、香港に進出していた日本のヒサヤ大黒堂により、香港島西部に「ぢ」と書かれたネオン看板が掲出され、異彩を放っていた。
湾の両側を結ぶスターフェリーがイギリスの植民地時代の19世紀末より運航されており、住人や観光客の足となっている。この他にも、自動車を運ぶカーフェリーなど、数多くの湾内航路が存在したが、1998年から1999年にかけて大幅に整理された。
1972年には両側を結ぶ自動車専用のトンネル、海底隧道(Cross-Habour Tunnel)が完成した。その後の香港の経済的発展に併せて1989年に東區海底隧道(Eastern Harbour Tunnel)が、1997年には西區海底隧道(Western Harbour Crossing)がそれぞれ開通した。また、MTRの地下鉄路線と香港島と香港国際空港を結ぶ機場快綫(Airport Express)の路線が湾の地下を結んでいる。