キリマンジャロ (Kilima-Njaro) はタンザニア北部にある山で、標高5,895m。アフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されている。
東南約50km、南北30kmに広がった火山。西からシラ峰、キボ峰、マウエンジ峰の3つから成る。南東部には巨大なカルデラがある。中央にあるキボ峰が最高峰で、頂上はウフル・ピークとよばれている。ウフルとは独立の意味。ウフル・ピークには、タンザニア初代大統領の言葉が刻まれたレリーフがある。
赤道付近にもかかわらず、キボ峰の頭頂部には、20世紀後期まで巨大な氷河が存在していた。近年は気候変動(降水量の減少など)にともなって規模が極端に縮小しているが、とはいえ、現在でも年間を通して氷雪を見ることができる。
スワヒリ語で、キリマンジャロの「キリマ(Kilima)」は「山」、「ンジャロ(njaro)」は「輝く」を意味する。
1848年、ドイツ人の宣教師レプマンにより、ヨーロッパに紹介された。当時キリマンジャロはイギリス植民地領(現在のケニア)に属していたが、後に、アフリカ最高峰だと知った、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世はイギリスに国境線の変更を要求する。結局、その要求は受け入れられ、当初直線だった国境は、キリマンジャロ付近で大きく湾曲した線になっている。
1889年10月5日にドイツ人地質学者ハンス・メイヤーが初登頂。
1987年にキリマンジャロ山域を含むキリマンジャロ国立公園が、世界遺産に登録される。
また、この山の裾野で採取されたコーヒー豆の銘柄「キリマンジャロ」としても知られる。
実はタンザニアからよりも、ケニア側のアンボセリ国立公園からのほうが、キリマンジャロの山裾の全容を綺麗に見ることができる。
キリマンジャロ登山を目指す場合、キリマンジャロ麓の町、モシまたはアルーシャへ。両方の町には、ナイロビ、モンバサ、ダルエスサラームから定期バスがでている。
またアルーシャにアルーシャ空港があり、ザンジバル国際空港からの定期便がある。
健常者で万全の準備があれば、山頂までの登山を楽しむことができる。多いときは月に1,000人近くが山頂を目指している。高山病や事故により、毎月数名の死者がでている。
キリマンジャロ登山には、ガイド添付が義務付けられている。ほとんどの場合、ガイド・ポーター・コックが付随するツアーに参加するようである。また登山用品は現地で借りることも可能。
登山ルートは何本かある。マラング・ルート(別名コカ・コーラルート)が比較的簡単で、山頂まで最短(それでも最低4泊5日かかるが)のルート。登山者が最も多い。
アーネスト・ヘミングウェイは、1936年、キリマンジャロを舞台にした小説『キリマンジャロの雪』(原題:')を発表した。
1952年には映画化された(監督:ヘンリー・キング、主演:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、スーザン・ヘイワード)。
アニメ機動戦士ガンダムシリーズの劇中で地球連邦軍の基地が設置されていた時期があり、『機動戦士Ζガンダム』では第35話のサブタイトルが『キリマンジャロの嵐』となっている。