ムゼウムスィンゼル(Museumsinsel)はドイツの首都ベルリンの観光スポット。ブランデンブルク門から東に伸びるウンター・デン・リンデン街が交差するシュプレー川の中州の、5つの博物館・美術館が集まっている地区で、「博物館島」と呼ばれる。ユネスコの世界文化遺産に登録されている。
中州の北半分は元々住宅地であったが、1830年に旧博物館(後記)が建てられ、1841年、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世が一帯を『芸術と科学』に関する地域とした。それ以後も博物館が建設された。第一次世界大戦が終結し帝政が崩壊した1918年以降、プロイセン文化財団 (Stiftung Preußischer Kulturbesitz) が蒐集および博物館運営を行うようになった。のち第三帝国期に各美術館を結ぶ回廊が設置された。
第二次世界大戦中、戦災を避けるため、収蔵品は各地に分散した。また施設の一部は空襲を受けた。終戦後のベルリン分割によってソ連占領地域となり、東ドイツ政権発足に伴い東ドイツの国立博物館となった。西ドイツ側にあった蒐集品はシャルロッテンブルク美術館などに収蔵された。
現在ベルリンでは旧両ドイツの美術館再編および改装工事が行われており、ムゼウムスインゼルに収蔵されていたコレクションの一部である18世紀以前の絵画や20世紀美術は、ティーアガルテン地区の新ナショナルギャラリーや新たに誕生した絵画館へ移されている。一方、19世紀絵画はムゼウススインゼルの国立絵画館のコレクションに統合された。
ムゼウムスインゼルの著名なコレクションとしてはバビロンのイシュタル門、ペルガモン大祭壇、『浜辺の僧侶』をはじめとするカスパー・ダーヴィド・フリードリヒの主要作品などが上げられる。
ムゼウムスインゼルには5つの美術館および博物館が集まっている。
旧博物館(Altes Museum) 5館のなかで最も古く1830年に建築家カール・フリードリッヒ・シンケルが設計した。ベルリン王宮(戦後東ドイツ政府がプロイセン軍国主義の象徴として撤去、現在存在しない)の前の道路を挟んだ向かい側に建設された。ここにフリードリヒ・ヴィルヘルム3世の蒐集したギリシャ・ローマの芸術品を公開する目的で開館した。旧博物館の前にはルストガルテンという公園がある。 新博物館 (Neues Museum) 旧博物館の裏手に位置し、1859年にシンケルの弟子の一人であるアウグスト・シュテュラーの設計によって完成。第二次世界大戦の戦火で外壁を残して破壊され、再築が施された。計画では2009年までに第二次大戦前の姿に復元させる予定である。エジプト美術および先史時代の遺物を陳列する。 国立絵画館(旧ナショナルギャラリー、Alte National Gallerie) 1876年にアウグスト・シュテユラーの設計によって完成。銀行家ヨアヒム・ヴァグナーが、自ら所蔵する19世紀の美術品を寄贈したことに始まる。このコレクションは、19世紀の彫刻から絵画に至るものである。 ボーデ博物館 (Bode Museum) 島の北端に位置し、1904年にフリードリヒ博物館(Kaiser-Friedrich-Museum) として開館。2000年から2006年まで改修工事を行い休館していたが、彫刻美術とビザンティン美術を主体に2006年10月17日に再開業した。 ペルガモン博物館(Pergamon Museum) 5館の中で最も新しく1930年に開館。古代ローマおよび古代オリエント美術を中心に、古代美術および近世までの中東美術を扱う。小アジアの古代都市ペルガモンから「ペルガモンの大祭壇」を館内に移築したことから、館名の由来にもなっている。バビロンのイシュタル門やミレトスの市場の門など遺跡の発掘品を所蔵および復元展示するほか、近世までの中東工芸および絵画を展示する。Шаблон:世界遺産基準 Шаблон:世界遺産文化2 Шаблон:世界遺産文化4