サルト・サーキット(フランス語: Circuit de la Sarthe シルキュイ・ドゥ・ラ・サルト)はフランスのル・マンにあるサーキット。
ル・マン24時間レースで使用されるコースとして有名で、全長13.629kmの多くは公道を利用している。スタート地点ならびにピットレーンなどは、ブガッティ・サーキットの一部を流用している。 サルテまたはサルトと呼ばれるがサルテが英語読み[]、サルトがフランス語読みで、全部フランス語読みにするとシルキュイ・ドゥ・ラ・サルトになる。 1923年に耐久レースが開催されたときのコースは、極めて緩やかな高速コーナーを含む超ロングストレートを2つ含む単純なレイアウトであったが、テルトル・ルージュがコーナーに変化した現在のコースの原型となったのは1932年のことである。
その後、高速化するレースカーに対する安全性の向上や死亡事故への対策によってシケインの追加や道幅の拡張などが行われている。特に約6kmという超ロングストレート「ユノディエール」では、レースカーは400km/hを超えるスピードに達していたが、1990年に安全性のために約1/3となる場所にそれぞれシケインが追加された(現在では330~340km/h程)。現在のレイアウトになったのは、"ダンロップブリッジ"のストレートが大きな下りカーブに改変された2000年のことである。
コースがあまりにも広大な為、グランドスタンドの周辺は晴れているのにもかかわらず、ミュルサンヌコーナーの辺りで大雨が降っているという事がままある。そのため、ピットクルーの戦略を大幅に狂わせる事がある。過去にはジャガーチームが、サルト・サーキット全域を網羅する事ができる気象観測機器を持ち込んだことがある程である。
またコースの大部分が路肩を広く取った片側一車線の一般公道を使用しているために、路面のうねりの他に轍が出来ている箇所も多く、雨が降ると轍の部分に「川」が出来るため、スピンを誘発しやすくなる。さらにユノディエールには街灯すら存在しない為、ドライバーにとっては特に夜間走行に於いてかなり厳しいコースでもある。
なお、グランツーリスモ4(PS2)にはSarthe Circuit II、グランツーリスモ(PSP)にはSarthe Circuit Old、Forza Motorsport 3(Xbox360)にはOld Mulsanne Circuitとしてシケインの無い旧コースも収録されている。
※Forza Motorsport 3(Xbox360)にはブガッティ・サーキットも収録