ビルバオ・グッゲンハイム美術館 (Museo Guggenheim Bilbao、英語:Guggenheim Museum Bilbao) は、スペイン・バスク国自治州・ビルバオ市にある、近現代美術専門の美術館である。アメリカの ソロモン・R・グッゲンハイム財団の設立したグッゲンハイム美術館の分館のひとつである。1998年開館。
建物はアメリカの鬼才、建築家フランク・O・ゲーリーによって設計され、脱構築主義建築の傑作とされている。平らな面が一切ないとされ、チタニウムの板がうねる過激で有機的な形は戦闘機の設計などに使用されるCADシステムを用いて構造計算されるなど、時代の最先端の技術を利用し設計されている。建物外観はネルビオン川に浮かぶ船のようにも見え、また神戸のフィッシュ・ダンスホールなど彼の旧作に多用されてきた魚のイメージにも見えるが、これは港町であるビルバオの地域性を意識したものという。
開館後はそのモンスターのように異様な外観が話題になり、鉄鋼業などくすんだ工業都市の印象の強かった街ビルバオに急激に観光客を増やした。スペイン・ビルバオ・グッゲンハイム分館は、年間100万人の動員で地元に大きな経済効果をもたらしている。しかし、美術ファンの中には、建物の印象が強すぎて中にあるコレクションがかすんでしまうという批判もある。
展示は20世紀の近代・現代美術を中心としている。アメリカのグッゲンハイム財団は世界分館構想を持ち、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ヴェネツィアの「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」のほか、ラスベガス・グッゲンハイム美術館、ベルリン・グッゲンハイム美術館など世界各地にも美術館を持つ拡大路線を志向している。
映画『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999年)ではビルバオの市街地が舞台となり、冒頭ではこの美術館の開館した頃の姿を見ることができる。