サンスーシ宮殿(サンスーシきゅうでん、独: Schloss Sanssouci)は、ドイツ、ブランデンブルク州の州都ポツダムにある宮殿。「サンスーシ(Sans Souci)」とは、フランス語で「憂いなし」を意味し、日本や中国では漢訳して無憂宮とも表記する。
プロイセン王国時代の1745年から1747年にかけて、フリードリヒ2世の命によって建てられた。ヴォルテールが一時期滞在したことでも知られる。
フリードリヒ2世の「夏の離宮」として建てられたが、結果的にはここが居城となった。フリードリヒ2世自ら設計の一部を行ない、王の趣味を反映して、こぢんまりとした瀟洒な建物である。
なおその後、七年戦争後プロイセンの国威発揚のために、近くにヴェルサイユ宮殿を模した大規模な宮殿が建てられた。これを新宮殿と呼ぶ。
1990年に、宮殿の建物および庭園は「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」の1つとしてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
この宮殿の庭園の西に、大きな風車小屋が建っている。サンスーシ宮殿完成後、あまりに景観に入る位置だったため、フリードリヒ2世が取り壊しを命じた。しかし所有していた農夫から生活を奪わないでほしいと訴えられ、王はこの風車小屋をそのまま残したという。現在もこの逸話のためか、堂々とその風車小屋は建っている。