UEFA
アンフィールド (Anfield) は、イングランド・マージーサイド州・リヴァプールにあるサッカー専用スタジアムである。
1884年、エヴァートンFCのホーム・スタジアムとして建設。1892年、クラブ経営陣の内紛によりエヴァートンがグディソン・パークにホーム・スタジアムを移した後、このスタジアムをホーム・スタジアムとすべく新たに設立されたのがリヴァプールFCである。その後、現在に至るまで何度も大規模な改装を重ねている。現在のところUEFAの4つ星認定スタジアムである。UEFAヨーロッパリーグ決勝戦までは開催可能であるが、UEFA欧州選手権とUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦は開催できない。
アンフィールド・スタジアムには二つの門があり、それぞれリヴァプールFCの歴史上最も輝かしい成績を残した二人の監督の名前から「ペイズリー門」「シャンクリー門」と名付けられている。「シャンクリー門」にはリヴァプール・サポーターの愛唱歌で世界一有名なサッカー・アンセムの曲名「」が掲げられている。また場内にはビル・シャンクリーの像も建てられている。
選手がピッチに入場する際に通過するプレイヤーズ・トンネルの入口には「THIS IS ANFIELD」と書かれた飾り板が嵌め込まれている。これはビル・シャンクリーの発案によるもので、シャンクリーによれば「我々の選手たちに、自分たちが誰の為に戦っているのかを思い出させるためのものであり、同時に相手方チームに対しては、彼らが誰を相手に戦うことになるのか知らしめるためのものでもある」とのこと。
またスタジアムの一角にはヒルズボロの悲劇で亡くなった人々の祈念碑が建てられており、ホーム、アウェーを問わずこのスタジアムを訪れたサッカー・ファンが祈りを捧げる場所となっている。
選手入場直前と試合終了直前にはリヴァプール・サポーターによるYou'll Never Walk Aloneの大合唱が響きわたることでも有名である。選手入場前の合唱はSRによるレコード演奏がきっかけとなるが、サビの部分ではレコード演奏はミキサーでカットされ、サポーターの声のみとなる(しかしスタジアム中の音圧は最大となる)。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントなどのビッグ・ゲームではこの大合唱が何度となく繰り返され、SRによるチャンピオンズリーグ・アンセムは殆ど聞こえない。
一方、試合終了直前の合唱は自然発生によるもので、レコード演奏は使用されない。
上述のようにアンフィールド・スタジアムはUEFAレーティングでは5つ星ではない。これは第一には収容観客数が5万人未満の為である。しかし現在の敷地でこれ以上の拡張は不可能でもあり、リヴァプールFCは2009年までにアンフィールド・スタジアムからスタンリー・パーク・スタジアムに移転することが決定されている(奇遇ではあるがスタンリー・パークはアンフィールド・スタジアムに来る前のエヴァートンFCのホーム・グラウンドが存在した場所である)。
アンフィールド・スタジアムはリヴァプールFCが転出した後、スタンド部分を取り壊し、ピッチ部分は記念公園として整備されることになっている。これは、アンフィールド・スタジアムのピッチにはリヴァプールFCのサポーターたちの遺灰が数多く撒かれている(その中にはヒルズボロの悲劇の犠牲者の遺灰も含まれている)、文字通りの意味での聖地でもあるという事情故である。
2007年に老舗の不動産会社「ドライバーズ・ジョナス」が行った「イギリス国民が選ぶヨーロッパで最も雰囲気の良いサッカー・スタジアム」という調査では、アンフィールドが堂々の1位に輝いている。2位以下はセルティック・パーク、フラットン・パーク、カンプ・ノウ、セント・ジェームズ・パークの順。
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