ジブラルタル海峡(英語:Strait of Gibraltar、スペイン語:Estrecho de Gibraltar)は、ヨーロッパのイベリア半島とアフリカの北端を隔てる海峡。大西洋と地中海の境に位置している。水深は286m、海峡の幅は14km~44kmであり、60kmにわたって延びる。
語源はウマイヤ朝指揮官ターリクがターリクの山(アラビア語:ジャバル・ターリク)と命名したのだが、これが転化してジブラルタルになった。
ゲルマン民族大移動、ハンニバルの侵攻、ウマイヤ朝の支配、イギリスに植民地化等、古来から戦略的に重要な位置づけにあった。現代においては麻薬密輸ルートとしての機能が指摘されている。
イベリア半島の南端にあるスペイン領のアルヘシラスという町とアフリカの間はわずか14kmほどであり、肉眼でも確認できる。
イベリア半島側にあるジブラルタルの岩山と北アフリカ側のスペイン領セウタにあるアビラ山の二つをヘラクレスの柱と呼ぶ。
現在、この海峡の底を通るジブラルタルトンネルが計画中である。
かつて地中海(テチス海)と大西洋は、現在のジブラルタル海峡の北側もしくは南側で連絡しており、ジブラルタル海峡の一帯は陸地であった。約600万年前、何らかの変化により両海の連絡ができなくなり、地中海の塩湖化(メッシニアン塩分危機)が進んだ。それが533万年前に解消された際に、一番低地であった場所が、現在のジブラルタル海峡であると考えられている。