株式会社東急ハンズ(とうきゅうハンズ、英称:TOKYU HANDS INC.)は、東急グループの流通関係企業の1つである。ただし、同じ流通業の東急百貨店ではなく、東急不動産の関連企業となる。
いわゆる「ホームセンター」の1つに挙げられる業態でチェーン展開しているが、通常のホームセンターとは異なり大型の商品は控え、雑貨店に近い細かな品揃えを特徴としている。都市型店舗を展開する。
住まいと生活に関連する商品を多く扱う店舗である。 東急不動産は1976年(昭和51年)、遊休地利用を図るため、新規事業としてホームセンター事業に参入する。同年11月に第1号店となる藤沢店が開店した。
取り扱う品目は非常に多岐にわたる。一般的にはファンシーショップ・バラエティーグッズの店としても知られるが、その本領は、プロが利用するような特定業界向けの工具や素材・材料類をアマチュアの工作マニアに向けて提供する商品展開といえる。さらに、それらの商品について使用方法や応用に精通する店員が、詳細に案内・実演する点でも他店との差別化を図っている。
それまで見たことはあっても、入手手段さえわからなかったような工芸用道工具類や金属材料・樹脂材料などが、どちらかといえば場違いな市街地の小ぎれいな店頭に並べられ、適量に小分けして販売される様子は一種のカルチャーショックを与えたともいわれ、郊外型ホームセンターなどがそのような品揃えを重視する先陣を切ることとなった。
こうした高機能の商品を初心者が使用するにあたって、的確なアドバイスが行えるスタッフを充実させ、顧客層を開拓する戦略も採っている。他にも吉田カバンなどの鞄からシルバーアクセサリー、手品の小道具まで幅広いジャンルの商品が並び、東急ハンズで扱ったことがきっかけで流行になった商品も多い。
東急ハンズ株式の25%(360万株)を保有していた東京急行電鉄は、2004年9月30日に全株式を中央三井信託銀行系列の投資事業有限責任組合へ譲渡した。ただし、東急不動産を含めた東急グループが現在も東急ハンズの発行済株式の75%を保有している。
TOKYUポイント加盟店。
売場構成は、ワンフロアに1つの分野の商品群を展開するのが特徴である。新宿タカシマヤタイムズスクエア進出に際し、高島屋側は東急ハンズにワンフロアでのテナント展開を打診したものの、ハンズらしさが失われるとの理由で1階~7階までのフロアの一部を縦に打ち抜く形の店舗となった。北千住店、川崎店、町田店(移転後)、ららぽーと船橋店のように、1フロアあるいは2フロアでの出店となっている店舗もある(公式ページ参照)。
ワンフロアに同系商品を展開する店舗形態は、渋谷店(1978年開店)に起源をもつ。もともと渋谷店の敷地は東急不動産が長年所有していた土地であったが、坂道に面した狭い区画で、一般的な業態の店舗のビルが建てにくい状態であった。この傾斜地を逆に利用し、周囲の道路の高さに店の出入口を合わせて3種類のフロア高さを設定(スキップフロア)、「A」「B」「C」のアルファベットの併用で各階を表示(「6B」=「6階Bフロア」等)するとともに、これらの間を階段が回廊状に結ぶ構成とした。この工夫によって、小規模なフロアごとに1つの分野の商品群を展開するとともに、1つのフロアから他のフロアへ見通しを持たせることで来店者の期待感を高め、回遊を促すフロア構成になっている。
従来標準の売場面積(5,000m2)の約1~2割程度である400~1000m2の売場面積の新型店舗「ハンズビー」を、2008年6月にJR札幌駅の駅ビル「札幌ステラプレイス」に出店した。
ららぽーとTOKYO-BAYに出店するららぽーと船橋店は、広いワンフロアのみのテナントで、提案型ルームセンター「homeyroomy(ホーミィルーミィ)」として営業していたが、2009年4月1日より通常の東急ハンズ店舗に改称した。
2004年4月14日からポイントカード(HANDS CLUB CARD)のサービスを開始している(名古屋市内の2店舗を除く)。代わって、文具フロアで一定価格の購入ごとに配られていた割引チケット(ハンズ文具チケット)が2005年3月31日で使用を終了した。
インターネット通販事業は、以前は楽天などが運営する仮想商店街へのテナント出店にとどめていたが、2005年6月1日からインターネット通販事業(ハンズネット)のサービスを開始した。
名古屋市内の2店舗は、近鉄グループである三重交通グループホールディングスの関連会社・三交クリエイティブ・ライフが運営している。そのため、他地域の東急ハンズで行われているサービスの一部(ハンズクラブカードのポイントシステムなど)が利用できない。なお近鉄グループの本拠地でもある大阪府内の店舗はハンズ自身が直営で運営しているので、ポイントシステムの利用に関しての不都合は見られない。
東急ハンズの店舗については公式ページ参照
POSシステムは、富士通製を使用。