仁川国際空港(インチョンこくさいくうこう、朝鮮語:Шаблон:Lang)とは、大韓民国仁川広域市中区にある国際空港である。永宗島と龍遊島の間にあった干潟を埋め立て、2001年3月29日開港した。大韓航空及びアシアナ航空のハブ空港である。
当空港開港と同時に、金浦国際空港の国際線が全て当空港に移転し、同空港は事実上国内線専用空港となった(ただし、現在でも金浦国際空港発着の近距離国際線は存在する)。ソウルへの国際線空港として機能していることから、前述した通りソウル市外の仁川市内に所在しながら飛行機の行き先では単に「ソウル」と案内されることが多い。現在、3本の滑走路が供用中である。
詳しい内容は後述するが、日本行き国際線は成田国際空港・東京国際空港・関西国際空港・中部国際空港だけではなく、日本各地の地方空港と当空港を結ぶ便が多数就航している。このため、日本の地方空港から当空港の国際線各都市への乗り継ぎ空港(事実上、日本のハブ空港)として、よく利用されている。また、韓国国内線は釜山・済州・大邱の各路線がある。
空港コード(IATAコード)は、ICN。
大韓民国仁川広域市中区空港路424番通り47。仁川市街沖、永宗島と龍遊島の中間に位置する埋立造成地。
旅客ターミナルはイギリスの建築家テリー・ファレルの設計で、地上4階・地下2階建て、面積50ha、東西1.6km、南北150m、高さ33m、総工費は 1兆3,816億ウォンとなっている。外観は空気と水の力学的な流れ、大型船舶の帆をイメージした柔軟なリズム感、そして安全性をイメージする芸術的造形美を取り込んで設計されている。また建物内部は経済・科学技術の発展をイメージし、最先端の設備を備えたインテリジェントビルである。
旅客ターミナルの北側に搭乗棟(Concourse)が建設され、2008年5月27日より供用開始された。大韓航空、アシアナ航空以外の韓国籍の航空会社、および外国籍の航空会社が利用している。地下を通る「スターライン」という新交通システムで、旅客ターミナルとの間を約1分で連絡する。 なお、旅客ターミナルと搭乗棟間の往来はできず、一度スターラインへ乗車すると(搭乗棟へ向かうと)、旅客ターミナルへは戻ることはできない。スターラインへの入り口では、搭乗棟利用客以外の誤進入を防止するため、搭乗券チェックが行われている。 Шаблон:-
地上2階、地下5階建てで、床面積は25ha。航空機の翼や鳥を象徴するような屋根構造をイメージし、人々の安全を祈る韓国伝統の鶴の思いを込めて設計されている。また地に足を着けた飛行体をイメージしたこの建物は、空と地上を結ぶ意味が込められ、飛行機の運航の安全を祈願する意味を込めて設計されている。 Шаблон:-
現在、空港までの交通路は高速道路(仁川国際空港高速道路)を利用する路線バス・タクシー・自家用車が中心である。2007年3月23日に開港から6年の歳月を経て鉄道が開通し、さらに2009年10月には第二京仁高速道路の仁川大橋が開通した。
ソウル都心の主要地域や有名ホテル、主な地方都市を結んでいる。3列シートで座席も広く、最近は地上波デジタル放送受信設備も備えたバスで運行される。これと同等の車両を使った都市間高速バスを優等バス(Шаблон:Lang)と呼んでいるため、このバスについてもそう呼ぶ場合がある。
方面 | 路線名 | 運行 間隔 (分) |
所要 時間 (分) |
運賃 (ウォン) |
停留所 |
---|---|---|---|---|---|
ソウル (北部) |
ソウル駅線 | 10~ 20 |
60 | 15,000 | 龍山駅→ソウル駅 |
南山方面線 | 30 | 80 | 15,000 | ベストウェスタンプレミア・ソウルガーデンホテル→ロッテシティホテル麻浦→ラマダホテル&スイート→ソウル駅→ミレニアムソウルヒルトンホテル→グランドハイアットソウルホテル→ソフィテルアンバサダーソウルホテル→新羅ホテル→薬水駅→グランドハイアットソウルホテル | |
ソウル (南部) |
都心空港 ターミナル線 |
10~ 15 |
60 | 14,000 | 三成駅→都心空港ターミナル(KCAT) |
江南方面線(A) | 30 | 80 | 14,000 | ソウルパレスホテル→ザ・リッツ・カールトンソウルホテル→ノボテルアンバサダー江南ホテル→ルネッサンスソウルホテル | |
江南方面線(B) | 30 | 80 | 15,000 | インペリアルパレスホテル→ラマダソウルホテル→コエックスインターコンチネンタルホテル→グランドインターコンチネンタルホテル | |
江南ターミナル線 | 10~ 20 |
60 | 14,000 | 江南バスターミナル | |
蚕室方面線 | 20~ 30 |
80 | 14,000 | ロッテワールド→東ソウル総合バスターミナル→クァンナル駅→Wソウルウォーカーヒルホテル、シェラトンウォーカーヒルホテル | |
金浦空港 | 金浦空港線 | 5~ 10 |
30 | 6,500 | 金浦空港 |
光州 | 光州線 | 80~ 180 |
270 | 昼間 30,900 深夜バス 34,000 |
光州総合ターミナル |
全羅北道 | 全州線 | 30~ 60 |
240 | 全州 25,000 汝矣島 8,000 |
金浦空港→汝矣島63ビル→益山I.C.→全州駅→全州コアホテル |
釜山 | 釜山線 | - | 330 | 38,000 | 釜山総合バスターミナル |
蔚山 | 蔚山線 | - | 320 | 39,500 | 蔚山市外バスターミナル |
慶尚北道 | 浦項・慶州線 | - | 330 | 浦項 40,300 慶州 36,300 |
慶州市外バスターミナル→浦項高速バスターミナル |
ソウル都心の主要地域や、地方都市を結んでいる。4列シートの一般的な高速バスで運行される。スーツケースなどの大きな荷物の扱いは、高級リムジンバスと同様に預ける場合もあるが、車内にスーツケース置き場が備えられている路線もある。
ソウル都心の主要地域や、近郊の地方都市を結んでいる路線バスである。4列シートの一般的な高速バス、または通常の路線バスタイプのバスで運行される。路線バスに分類されるため、到着地に近づくと一般道の停留所を経由していく場合が多い。サービス内容は一般リムジンバスとさほど変わらない。
仁川広域市内を走る路線バスである。一般道の停留所を経由していく。仁川大橋を経由するルートもある。
空港内の庁舎や、駐車場を結んでいる運賃無料の路線バスである。
日本の小型タクシーに相当する。日本と比較して運賃が割安である。
方面 | 地域 | 所要時間(分) | 料金(ウォン) |
---|---|---|---|
ソウル | 市庁・鐘路 | 60 | 44,000 |
ロッテワールド・蚕室 | 75 | 55,000 | |
永登浦 | 55 | 43,000 | |
金浦空港 | 40 | 34,000 |
上記料金に加えて高速道路通行料金、7,400ウォンが掛かる。また道路混雑時、所要時間および料金に差が生じることがある。
日本の中型以上のタクシーに相当する。車両も一般タクシーに比べてランクが高い。一般タクシーと比較して運転手の教育が行き届いており、日本語や英語の基本的会話ができるため外国人にも安心して乗れる。しかし一般タクシーのサービスが以前より向上してきたため、存在感が若干薄くなってきている。
方面 | 地域 | 所要時間(分) | 料金(ウォン) |
---|---|---|---|
ソウル | 市庁・鐘路 | 60 | 80,000 |
ロッテワールド・蚕室 | 75 | 95,000 | |
永登浦 | 55 | 70,000 | |
金浦空港 | 40 | 52,000 |
上記料金に加えて高速道路通行料金、7,400ウォンが掛かる。また道路混雑時、所要時間および料金に差が生じることがある。
2009年5月より運行を開始した外国人向けのタクシー。運転手の選抜、教育等、サービス全般をソウル市が管理し、全員が外国語会話が可能な運転手となっている。一般タクシーと模範タクシーの2タイプが存在し、仁川国際空港~ソウル市内間は、ソウルを3地区に分けた定額料金となっている。
方面 | 地域 | 所要時間(分) | 一般料金(ウォン) | 模範料金(ウォン) |
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ソウル | 市庁・鐘路(Bエリア) | 60 | 65,000 | 95,000 |
ロッテワールド・蚕室(Cエリア) | 75 | 75,000 | 110,000 | |
永登浦(Aエリア) | 55 | 55,000 | 80,000 | |
金浦空港(Aエリア) | 40 | 55,000 | 80,000 |
上記料金に高速道路通行料金(7,400ウォン)は含まれている。また道路混雑時、所要時間に差が生じることがある。
一般的なアクセス方法ではないが、仁川市内の月尾島(ウォルミド)船着場と永宗島を結ぶ航路がある。運賃2000ウォン。所要時間約20分。永宗島の港に隣接するバスターミナル(韓国語で「バスターミナル」と書かれてはいるが、古い小屋と駐車場があるだけなので注意)から空港へは222番の市内バスが連絡している。運賃は現金で900ウォン、カードで800ウォン。所要時間約30分。
カナダのモントリオールに本部を置く国際空港評議会(ACI)が選出する2004年-2013年の「空港ランキング」総合評価部門で連続して「世界最優秀空港賞」を受賞中(2014年5月現在)。イギリスの航空調査会社スカイトラックス社によるランキングでも2009年度・2012年度に1位になるなど、国際的に高い評価を得ている。また国際貨物量で2006年、成田空港を抜いて世界2位になった。
管制塔周辺には最大4棟の搭乗棟を建設しうる広大な用地が確保されている。2008年5月、1棟が供用を開始した。建設用地の一部は駐機場として暫定利用されており、誘導路の分岐部は一部完成している。
かつての成田国際空港第2ターミナルと同様、旅客ターミナルとは「スターライン」という無人交通システムで連絡しており、最も遠い搭乗棟までを最短8分で結ぶ計画である。搭乗棟の間に誘導路があるため地下式となっている。
2013年9月26日、第2ターミナルの着工式が行われた。場所は、現在の搭乗棟北側で、2018年の平昌五輪前の2017年末の完成を目指している。
現在、滑走路は東側の2本と西側の1本が供用中であるが、これと同規模の滑走路を西側にもう一つ設ける予定である。このためターミナルビルディング西側には広大な滑走路用地が確保され、最終的には4本の滑走路を有する計画となっている。
さらに、現在暫定的にゴルフ場となっている空港西側の用地は、第5滑走路を建設できるよう確保されているスペースとなっている。
空港周辺のホテル、オフィスビル、住宅区域である国際業務地区と交通センターの間に、磁気浮上式鉄道による仁川空港磁気浮上鉄道の計画がある。交通センター2階中央部に駅舎、一部の路盤およびホームがすでに完成しているが、現在は閉鎖されている。計画段階ではPMSと呼称されている。開通は2014年9月を予定している。