中華民国総統府(ちゅうかみんこくそうとうふ)は中華民国の元首である総統の官邸である。また、総統の側近組織も意味する。総統府とは別に、玉山官邸が存在するが、これは公邸に相当する。
建物は台北市中正区重慶南路1段122号にある。
日本統治時代の1919年に完成した建物で、台湾総督府として利用されていた。
第二次世界大戦末期の米軍による空襲によって内部が全焼し中にいた職員の多くが死傷、建物も大きく破損した。世界大戦終結後に台湾へ進駐した中華民国政府が接収し、修復を行ったため1948年に旧態に戻った。その後蒋介石総統生誕60周年を記念し「介寿館(介寿とは蒋介石の長寿を祝うという意味)」と名を改めた。
翌1949年、国民党が国共内戦の際、中国大陸より追われる形で当時はまだ日本領土である台湾に中華民国の首都機能を移転。 以降、中華民国の総統府として利用されるようになった。現在、文化資産保存法により国定古蹟として登録されている。
上空の写真では日本の「日」を現す形に建てられている。
平日の午前9時から12時までは無料で内部見学が可能であり、日本語ガイドが案内してくれる。日本統治時代からのことをパネルで展示してある。なお、入館には身分証明書(外国人はパスポート)が必要。自由見学は不可で、全行程ガイド同伴による見学となる。監視カメラでチェックされる。撮影不可で、ビデオ、カメラは持ち込みできない(カメラつき携帯も同様)。ただし、月に一度(主に第二日曜)「全館開放日」が設けられており、その日は自由見学となり、写真撮影や、通常の見学コースでは立ち入り禁止の区域も見学可能となる。一方政治的な問題から、中華人民共和国の国籍保持者は見学できない。
本来、総統は行政に関与せず、五院の正副院長や構成員の任命や、五院間の調整役であった。そのため、総統府そのものは、総統官房機構としての役割を持っている。総統府組織法(1948年5月1日公布、1996年1月24日改正)により、総統府の組織や役職が定められている。
しかし、蒋介石は事実上軍事力を背景に君臨し、その彼が総統の職を占めた。そのため、総統府にも軍人のポストが多いばかりか、戒厳令を口実に総統が直接行政決定を下すため、もう一つの官房機構として、国家安全会議と国家安全局が設けられた。民主化後も、総統府と国家安全会議の組織はおおむね維持されている。
憲兵とは平時においては軍隊内部の秩序・規律を維持し、規律正しさから特殊な任務を担うことも多く、中華民国総統府区域の警備に当たっているのも憲兵である、中華民国(台湾)では国賓に対する栄誉礼を行う特別儀仗隊は。
カイチ・獬豸(かいち)の豸の字は「法治」を意味することから、古くから漢人は「法治」の精神をカイチを使って表現した、正義や公正を象徴する祥獣(瑞獣の一種)となった。現在、台湾国防部憲兵の象徴祥獣、中華民国(台湾)国軍の軍事警察、司法警察をも職掌した。全国の憲兵の頂点に「憲兵司令」が置かれた。