タウヌス山地 (Taunus)は、ドイツ・ヘッセン州フランクフルト・アム・マインの北に広がる山地である。最高峰は標高878mのグローセル・フェルトベルク。
タウヌス山地に所在する自治体はホーホタウヌス郡、マイン=タウヌス郡、ラインガウ=タウヌス郡、リンブルク=ヴァイブルク郡、そしてラインラント=プファルツ州のライン=ラーン郡がある。一帯は地温勾配が高くまたミネラルウォーターがわき出しているため各地に温泉街がある。
フォード・モーターがかつて生産していたフォード・タウヌスの名前はこの山地に由来する。
山地はライン山塊の一部を構成し、ライン川、マイン川、ラーン川で区切られている。ライン川対岸にはフンスリュック山地が続く。標高は最高点でも900mに届かず、山全体が森林に覆われている。
タウヌス山地はデボン紀の堆積物で形成された。主要構成岩石は千枚岩、緑色片岩、片麻岩、粘板岩、砂岩。山地は地形・地質から以下の三つに細分される。
ローマ帝国期、この地域はゲルマニア・スペリオルに属しリメスが築かれた。
260年頃からアレマン人が定住、エシュボルンに彼らの墓所が築かれた。500年に発生したトルビアックの戦いの結果、アレマン人は追い出されて、新たにフランク人が移住した。
それから数世紀、この地域は湯治場として発展した。古くから温泉街として発展した町にバート・ホンブルク・フォア・デア・ヘーエがあり、ほかにも16・17世紀からバート・シュヴァルバッハ、バート・エムスで温泉が掘削された。19世紀になるとヴィースバーデン、バート・ホンブルク・フォア・デア・ヘーエ、バート・ナウハイム、バート・ゾーデン・アム・タウヌスなどの温泉街が人気を博した。
タウヌス山地の森林面積は約114,000haであり、その90%は公有林となっている。ブナとオークが6割以上を占める広葉樹林は原生林を思わせるが、持続可能な範囲の伐採と天然更新による林業が行われている。