錦繍山記念宮殿(クムスサンきねんきゅうでん)は、朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌にある主席金日成の遺体が安置されている施設。1995年7月8日、主席の死去1周年にあわせて一般公開された。
金日成が生前公務や生活をしていた主席宮殿を、彼の死後遺体を永久保存する目的で改造した。外見は宮殿造りで、維持管理はロシアの機関に依頼されており年間維持費は膨大な額に上る。宮殿の周囲は正面と側面を水堀、背後を高い塀に囲まれており、金日成の生前から厳重な警備が行われている。
金日成の遺体は宮殿3階中央ホールに安置されている。入場者は遺体の左右前後の四方向で礼をする以外立ち止まることは禁止されており、見てすぐに退室しなければならない。手荷物は入口の保管所に預ける必要があり、金属類の持込みと写真撮影は禁止である。なお外国人も予約さえすれば、拝観料はかかるが見学は可能である。
宮殿内部には金日成の業績を称えた展示や、各国から贈られた勲章、生前使用していたメルセデス・ベンツSクラスや専用列車車両の一部などの遺品が展示されている。
また錦繍山記念宮殿に行く人々を乗せるため専用の路面電車の軌道があり、また駅と宮殿の間には計340m以上におよぶ動く歩道が設置されているが、平壌市民は年数回以上ここを訪れるためいつも長い行列ができている。