横浜ベイブリッジ(よこはまベイブリッジ)は、1989年(平成元年)9月27日に開通した神奈川県横浜市にある長さ860m(中央支間長460m)の斜張橋(吊り橋)である。東京港方面と横浜港を結ぶ港湾物流の一端を担うことにより、都市部の渋滞を緩和する重要な輸送路である。
概要
本牧埠頭A突堤(中区)と大黒埠頭(鶴見区)とを結んでおり、上層部は首都高速湾岸線で、下層部は国道357号となっている。下層部も含めて125cc以下の原動機付き自転車は通行できない。また、歩道が無いため徒歩で渡ることもできない。大黒ふ頭側には橋脚の道路下にある展望台までの遊歩道「横浜スカイウォーク」(有料)があり、大型客船の通過時などは迫力のある風景を見学することができたが、2010年(平成22年)9月に閉鎖された。上層部の制限速度は、開通当初は70km/hだったが現在は80km/hになっている。
建設の目的は、高度経済成長期によって悪化した横浜市街地における渋滞の解消である。設計は名港西大橋のデザイン案を、名称はサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジを参考にしたとされる。横浜市六大事業の一つとして計画され、横浜市が、当時の建設省(現、国土交通省)に橋の建設を積極的に働きかけ、難工事の末に開通した。
完成時において日本最長の斜張橋(橋脚間の距離460mにおいて)であったことから、開通当初は故障以外の駐停車は禁じられている都市高速道路であるにもかかわらず、夜景見物目的の駐車車両が多く問題とされたこともあったが、現在はほとんど見かけることはない。また、故障以外の駐停車を防止するためのアナウンスが常に流れている。
上層部の開通後も高速通行料金の関係から、本牧 -
大黒間の移動においてもベイブリッジを避けて市内中心部の一般道へ迂回するコンテナ車両などが多かったため、地元住民や港湾関係者などから一般道建設の要望があり、2004年(平成16年)に下層部を通行するための一般道を開通させ、横浜港内における港湾関係車両の重要な移動経路としても用いられている。
歴史
- 1977年8月 都市計画決定(鶴見区扇島~中区千鳥町)
- 1980年11月 着工
- 1989年9月27日 首都高速湾岸線開通
- 1998年 ベイブリッジ一般部事業着手
- 2004年4月24日 下層部分の国道357号が開通
- 下層は暫定2車線(計画6車線)であり制限速度は50km/h。事実上自動車専用道路の扱いである。
隣
首都高速湾岸線 本牧JCT(幸浦方面と接続) - (B07)本牧ふ頭出入口 - 本牧JCT(東京方面と接続) -
横浜ベイブリッジ - 大黒JCT/(B08,B09)大黒ふ頭出入口/大黒PA
交通
- バス停(スカイウォーク前)
- 17系統(鶴見駅、生麦駅方面行き) - ベイブリッジを走行しない
大型船舶の航行問題
橋の下を通過出来無い大型外国クルーズ客船が近年、続々と登場している。ベイブリッジの海面からの高さは約55メートルで、パナマックスの最大高57.91メートルを下回っており、くぐれなければ、横浜港「大さん橋」を活用できず、クルーズ客船の誘致合戦で後れをとって、外国船寄港数は九州地方の港を下回っている。
通過する事例でも、クイーン・エリザベスは、あらかじめ汐待ちして(干潮時間帯を狙って)ギリギリのクリアランスで通過している。このため2013年(平成25年)5月8日、横浜市が本牧ふ頭の貨物用岸壁の活用を検討し、これを管理する港湾会社と調整に入ったと読売新聞によって報じられた。
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2009年(平成21年)3月6日、客船クイーン・メリー2が横浜に寄港したが、横浜ベイブリッジの下を通過することができないため、大黒ふ頭に停泊した。
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2010年(平成22年)2月14日、客船クイーン・メリー2が横浜に2回目の寄港したが、横浜ベイブリッジの下を通過することができないため、大黒ふ頭に停泊した。前年とは変わり、安全のため、一般市民を立入禁止にするなどの措置を実施した。貨物埠頭への着岸については、前年より船客から不満があったことも影響し、2011年(平成23年)の寄港地を大阪港に変更した。
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2013年(平成25年)5月8日、客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズが横浜に寄港したが、横浜ベイブリッジの下を通過することができないため、大黒ふ頭に停泊した。
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2015年(平成27年)3月17日、客船クイーン・エリザベスが横浜に寄港する予定であったが、南太平洋上で発生したサイクロン・パムの影響により、横浜港到着予定時間が干潮時とずれ、ベイブリッジをくぐることが出来ないため、寄港地を急遽神戸港に変更した。
横浜ベイブリッジが登場する作品
- 「ゴジラvsモスラ」 - バトラのプリズム光線で破壊される。
- 「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」 - ゴジラの熱線が命中し、ほぼ全壊する。
- 「首都高バトル01」
- 「機動警察パトレイバー 2 the Movie」- 冒頭に空対地ミサイルが中央に命中して破壊される。
- 「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」 -
エンディングでは、主演の柴田恭兵と仲村トオルがオープンカー(柴田)とバイク(仲村)で横浜ベイブリッジを併走する場面が映し出される。
- 「あぶない刑事」-
「あぶない刑事」・「もっとあぶない刑事」、初期映画3部作の「あぶない刑事」・「またまたあぶない刑事」・「もっともあぶない刑事」には、工事中の横浜ベイブリッジが登場する。
- 「機動刑事ジバン」 - 第44話と最終話の一場面で登場。
- 「大決戦!超ウルトラ8兄弟」- 劇中でギガキマイラのデザスタルバーストで寸断される。
- 「湾岸ミッドナイト」 - R33スカイラインGT-Rがベイブリッジ上でクラッシュする。
- CHAGE and ASKAの「WALK」(1989年発売)のPVに建設中であった横浜ベイブリッジが登場する。
- 浜田省吾の「ベイ・ブリッジ・セレナーデ」 - 横浜を舞台にした楽曲。
- サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR
〜秘密のデート」の歌詞では、大黒ふ頭が中心になっている。(ちなみにサビの歌詞『大黒ふ頭で虹を見て』は、レインボーブリッジと横浜ベイブリッジを桑田佳祐が勘違いして書いたものである。)
- 「も〜っと! おジャ魔女どれみ」の第13話『夢の船にのりたい!』にて登場した。
- 「デジモンセイバーズ」作品が主に横浜のみなとみらい地区をモデルにしており、度々登場している。
その他
- 2004年(平成16年)11月23日にはNHKの『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』でも紹介された。
- 横浜市では食品衛生法に基づく飲食店などの営業許可書や、市立学校の通知表にも横浜ベイブリッジが描かれている。
- 横浜市のマンホールは、横浜ベイブリッジが描かれている(1997年以降に設置されたもの)。
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橋の周囲には2つのテレビ局が情報カメラを設置している。そのうちNHKは橋脚部に、またテレビ神奈川はスカイウォーク施設の屋上にそれぞれ設置されている(ともにHD対応)。
- プロ野球球団・横浜DeNAベイスターズの「ベイスターズ」はこの横浜ベイブリッジから取られている。
脚注
関連項目
- 大黒ジャンクション
- 本牧ジャンクション
- 横浜港
- 横浜スカイウォーク
- 鶴見つばさ橋
- 柴航路橋
- レインボーブリッジ
- 幸魂大橋
- 女神大橋
- かながわの橋100選
- 吊り橋の一覧 (長さ順)
- ベイブリッジ
外部リンク