仏国寺(ブルグクサ、ぶっこくじ)は、大韓民国慶尚北道慶州市の郊外にある仏教寺院。
1995年、石窟庵とともに「石窟庵と仏国寺」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。また、多宝塔などが大韓民国の国宝に指定されている。
構造
石垣で固めた盛土の上に伽藍が配置されている。伽藍は大きく3つの区域に分かれ、回廊で区切られている。参道正面から2つの区域があり、各区域がそれぞれ蓮華橋・七宝橋と青雲橋・白雲橋とで外域と結ばれている。
第4代朝鮮王世宗によって、破棄・破壊されるまでは、それぞれの橋の元に九品蓮池が広がっていたといわれている。
歴史
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751年頃 新羅の景徳王の時代、宰相の金大城(キムデソン)によりに建立される。『三国遺事』には金大城が現世での父母のために建立したと記述されている(『三国遺事』巻五・孝善・大城孝二世父母
神文代)。
- 最盛期の8世紀には約60棟の木造建物からなった。
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李氏朝鮮第4代世宗の時代、18寺院を残し、それ以外の寺院はすべて破壊された。このとき18寺院に含まれなかった仏国寺は破壊された。(朝鮮の仏教)
- 1593年 文禄の役の戦乱により、仏像・石棺・宝塔以外が焼失。
- 1604年 この年より次々と再建が始まる。
- 日本の朝鮮統治時代までに荒廃する。
- 1973年 発掘調査後、改修工事で無説殿、観音殿などが再建される。
主な構造物
建築物
大雄殿正面の紫霞門に掛かる石橋。751年の時から存在している遺構と考えられている。上段の16段が白雲橋、下段の17段が青雲橋である。合わせて33段であるが、仏教で33は
未だ仏の境地に達せずという意味である。国宝23号。
青雲橋・白雲橋と同じ形式の石橋であるが、規模は小さめである。国宝22号に指定。
仏国寺の本殿にあたる。681年ごろ創建されたと思われる。1765年に再建。
宝塔
高さ10.4m。新羅時代751年の作と推定されている。四面に階段が設置されまた、塔下部は四本の柱で支えられている珍しい塔の形状をしている。また塔の周りには石獅子が配置されていたが、現在では1体だけが残っている。国宝第20号。
高さ8.2m。新羅時代の三層塔。国宝第21号。1966年には復元工事中、塔中央部から世界最古級の木版印刷物である『無垢浄光陀羅尼経』が発見される。
仏像
新羅時代の作、国宝第26号。
交通
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東海南部線慶州駅・仏国寺駅や慶州高速バスターミナル・慶州市外バスターミナルなどから市内バス(日本の路線バス)に相当)利用。
関連項目