大雁塔(だいがんとう)とは、652年に唐の高僧玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典や仏像などを保存するために、高宗に申し出て建立した塔。
高さは7層64mで現在は、西安市の東南郊外にある大慈恩寺の境内に建っている。当初は5層だったが、途中で10層まで増築された後、長安年間(701年 - 705年)に現在の7層に落ち着くという変遷を経ている。その後、1068年 - 1077年頃に火事に罹災しており、1550年頃に重修されており、人民中国成立後にも修築されている。
現在でも、最上層まで登ることが可能。
名前は、菩薩の化身として雁の群れから地上に落ちて死んだ1羽を、塔を建てて埋葬したことに由来。唐時代に進士試験の合格者がここで名を記したことから、「雁塔題名」の成語も生まれた。
第1層には、仏菩薩の線刻画や、「大唐三蔵聖教序」(褚遂良書)及び、高宗撰の序記の2石碑が見られる。また、寺中には、王維や呉道元らの絵画も収蔵されている。