野村美術館(のむらびじゅつかん)は、京都府京都市左京区南禅寺下河原町61にある美術館。財団法人野村文華財団が運営する。
概要
1984年に野村證券などを創設した二代目野村徳七(1878 -
1945)の収集品を主な展示品として開館した。二代目徳七は実業家であるとともに「得庵」と号した茶人でもあり、茶を藪内節庵、能を観世左近に習っている。得庵が茶の湯と能に造詣が深かったことから、コレクションの内容もその2つのテーマが主体となっている。
近隣には南禅寺や永観堂が所在しており、北隣には得庵の別邸であった野村碧雲荘がある。
主な所蔵品
重要文化財
- 絵画
- 紙本著色紀友則像(佐竹本三十六歌仙切) - 絵:伝・藤原信実、詞:伝後京極良経) -
旧秋田藩主であった佐竹家伝来の三十六歌仙絵巻(二巻本)の内、下巻に含まれていた紀友則像。絵巻は1919年に切断され37分割(下巻巻頭の住吉明神図含む)されて一歌仙ずつ掛軸に仕立て直されたが、その内の一点である。
- 紙本淡彩風濤図 雪村筆
- 書跡典籍
- 大燈国師(宗峰妙超)墨蹟 偈頌(げじゅ)
- 清拙正澄墨蹟 偈頌 附:春屋宗園添状
- 寸松庵色紙(すかはらのあそん)
- 讃岐入道集 附:柳流水鴛鴦蒔絵箱 - 歌人藤原顕綱の家集。冊子本。巻頭などの一部は藤原定家の筆。
- 工芸品
その他の主な所蔵品
- 紙本墨画山水図 珠光筆(重要美術品)
- 絖本著色草廬三顧・蕭何追韓信図 与謝蕪村筆(重要美術品)
- 水汀鴨図 呉春筆
- 和漢朗詠集断簡(多賀切)伝(藤原基俊)筆(重要美術品)
- 練上手志野橋絵茶碗 銘猛虎
利用案内
入館時間は10時から16時。月曜定休。入館料は大人700円、高校生大学生300円、小学生中学生200円(団体、高齢者割引あり)。
参考文献
- 「新指定の文化財」『月刊文化財』501号、第一法規、2005年(讃岐入道集の解説あり)
- 「新指定の文化財」『月刊文化財』519号、第一法規、2006年(野村碧雲荘の解説あり)
- 『別冊太陽』100号「101人の古美術」、平凡社、1998年
- 「野村得庵と碧雲荘」野村小枝著
外部リンク
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