トロス山脈 (Toros) は、トルコのアナトリア半島南部、アンタルヤからアダナにかけて地中海とほぼ並行して東西に走る褶曲山脈。古くはギリシア語でタウロス山脈 (Tauros)、ラテン語でタウルス山脈 (Taurus) と呼ばれた。全長約900キロメートルで、アナトリアを年間降水量1000ミリメートル以上の地中海岸と500ミリメートル以下のアナトリア高原とに大きく2つに分ける。海岸から急にそびえ、アダナ近郊のセイハン川のデルタ地帯を除いて平野は少ない。アイドス山（3480メートル）、デミルカズク山（3756メートル）など、3000メートルを超える高峰がそびえる。東端にキリキア門があり、海岸とアナトリア高原を結ぶ重要な通商路として古来より利用されてきた。セイハン川以東は東南トロス山脈と呼ばれ、アルメニア台地、イランのザーグロス山脈に連なる。
