トレヴィの泉(-いずみ、英:Trevi Fountain、伊:Fontana di Trevi)は、ローマにある最も巨大なバロック時代の泉で、ローマでも有数の観光名所として賑わっている。「トレビの泉」とも。
ポーリ宮殿の壁と一体となったデザインで、中央に水を司るネプトゥヌス(ポセイドーン)が立ち、左に豊饒の女神ケレス(デメテル)、右に健康の女神サルース(ヒュギエイア)が配置されている。これらはサルヴィの原案でブラッチが制作した。
クイリナーレ宮殿の西側、トレヴィ広場 (Piazza di Trevi) にある。
元々は古代ローマ時代に皇帝アウグストゥスが作らせたもので、ヴェルジネ水道(ウィルゴ水道、乙女の水道の意)の終端施設としての泉が場所を替えた後、今の位置になった。その後、泉はローマの建築家ニッコロ・サルヴィの設計で改造、彼の没後の1762年に完成した。
後ろ向きにコインを泉へ投げ入れると願いが叶うという言い伝えがあり、投げるコインの枚数によって願いが異なる。コイン1枚だと再びローマに来ることができ、2枚では大切な人と永遠に一緒にいることができ、3枚になると恋人や夫・妻と別れることができる。3枚の願いはキリスト教が離婚を禁止していたという歴史の名残りである。このコインは半分がカトリック系チャリティ団体に寄付される。
2007年10月19日、観光客が何十人もが泉を眺めるなか、何者かが赤い塗料を泉に投げ込み、噴水が真っ赤に染まるという事件が発生。「灰色のブルジョア社会を朱に染めてやる」というビラが残され、その人物は逃走した。必死の浄化作業で大理石の被害は防がれた。